一流料亭の味の秘訣

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一流料亭で作る料理の味は、家庭で作るそれとはひと味もふた味も違います。それもそのはずで家では出せない味を出すところに一流料亭の自負があるのですから、味噌汁一つと言えど最高の味を作り出そうと板前さんたちは苦労されます。その為に最も神経を使うのが「だし」だと言います。全ての料理はだしの段階で決まると言い切るくらいです。

料亭では、かつお節と昆布でだしをとります。それだけを言えば家庭で作る場合と違いませんが、中身は大きく異なります。かつお節の入手の仕方が違うのです。使用するかつお節の種類も限定されます。かつお節は香りが身上ですから、削りたてのものを使ってこそ真に濃くのあるだしがとれます。そこで一流料亭では午前中に使う分と午後に使う分とを分けて、その都度かつお節屋に注文し、削りたてのものを持ってきてもらいます。十数日分、あるいは数十日分をまとめ買いして置けば、手間が掛からず良いようなものですがそれでは極上の味は作り出せません。そこで面倒でもこのような方法がとられるのです。

さらに、どの部分のかつお節でもいいというわけではなく、必ず血抜きのかつお節が使用されます。これには二種類あって一つは真っ白い色をしていて脂肪分の多いもの、もう一つは透き通った色をしていて脂肪分の少ないものですが、一流料亭では必ず後者の方を使います。削りたてのものといい、血抜きのかつお節を用いる事と言い、これほどかつお節にこだわり神経を使っているからこそ一流料亭ではあれほどの味が造り出されるのです。一流料亭の味の秘訣はまさにかつお節にあると言えます。